アレックス・シアラーの作品にしては、流れがグダグダしている部分があって、やや読みづらかったですが、内容的に中高生のお子さんたちにはワクワクするんだろうな〜と思い、星5つにしてみました。
サッカーは苦手、派手な方ではなくクラスでも目立たないごく普通の家庭に育ったビルは、ある時手早くドライヤーをかけたことで、有名人ビネー・スピンクス(国で一番有名なサッカー選手と歌手のミムジーの一人息子)にそっくりになります。
イラストはかなり漫画チックで今風なジャニーズのような少年二人の後ろ姿が描かれています。
内容はタイトルで分かるように“そっくり”な二人がある時、偶然出会い、お互いの生活を体験してみたいということになって、1日だけ『チェンジ』することにします。
ところがその日に誘拐事件に巻き込まれ…。
二人展示するまでのことがとても長く、実際事件が起こって解決するまではページ数も少なくあっという間に終わってしまいましたが、
私はこの誘拐事件が起きてからの展開の方が、ストーリーの流れが好きです。
ビルが、何とか「本当のベニー』を助けて逃がそうと、一生懸命芝居するところ、それでいてそのシーン全てが深刻ではなく、班員グループたちにちょっとドジで個性的なメンバーがいたりして、物語を面白おかしく彩ってくれています。
見どころは、ビルが自力で何とか脱出するも捕まりそうになった時!
クライマックスに向かって、気持ちが高ぶっているところを、作者は気持ちよく(?)トーンダウンしてくれました。
つい、ウルッてきてしまったのはビルのママのセリフ。
「わが子が連れ去られてしまった、どれほど心が痛いか、母親だけが知っている」
アレックス・シアラーって、男の人なのに、そういう感性というか想像力はすごいなと、思いました。
中・高校生くらいに、とても読みやすい内容だと思います。ぜひ、一度読んでみてください。