アフリカ・マリの昔話ですが、注目したいのは、語り部からの再話だという事です。
アフリカには多くの語り部がいたというから驚きです。
もちろん、王国の伝承という事もあったようですが。
ジョレ村に男の子が生まれますが、すぐに両親が亡くなったので、
その子は不吉だと森に捨てられ、動物たちに育てられるのですね。
成長した男の子は、ある日、自分の運命を悟り、
バオバブの木に登って、村に雨を降らせないよう祈るのです。
日照りですっかり困り果てた村人たちは、男の子を説得し、歓待して、
やがては国を治めるのですね。
「子どもを捨てない」という教訓のための伝承のようにも感じますが、
子どもを大切にするという視点はうれしいですよね。
絵はアフリカ・マリ出身の画家によるもので、独特の空気感があり、
おはなしの世界観の説得力も感じます。
バオバブの存在感も感じました。