2012年度全国読書感想文コンクール課題図書小学校中学年の部課題図書。
冬休み、専業農家で牛を飼っているぼくの家で、
アフリカのガーナからの農業研修生を受け入れることになったのです。
やってきたのはチョコレート色の肌をもつ好青年エリック。
反抗期の中2の兄、幼稚園児の妹、そして小5のぼくは、
エリックと一緒に過ごすことで、いろいろなことを学ぶのです。
ガーナといえば、チョコレート。
カカオ豆の生産で有名ですが、そのために、子どもたちが学校に行かず、
安い賃金で働かされている現実。
同じ年代の子どもたちの現状をエリックさんから聞いて、ぼくは考えさせられるのです。
知らないことがいちばんの敵、というエリックさんの言葉が重いです。
フェア・トレードのチョコレートのこともそっと盛り込まれています。
高価だけど適正価格で購入することで、生産者の賃金に反映させることが出来るのですね。
今すぐにでも、私たちが出来ることです。
このあたりそっと教えてくれる展開は嬉しいです。
もっと詳しく知りたい方は、
『世界がもし100人の村だったら 4 子ども編』(池田香代子:編 マガジンハウス)をぜひ読んでほしいです。
ラストは研修が終わり、お別れにあたってエリックさんが絆として教えてくれたこと、
とても素敵な余韻です。
表題の意味に納得しました。