走るのがぶたよりも遅いから、ぶたを一度も食べたことがないおおかみがいました。
そのおおかみは、どんなに頑張って走っても追いつけないので、ぶたたちからバカにされています。
おおかみは、くやしくてたまりません。
そんなおおかみが、ある日、きつね博士から「ぶたのたね」をもらいました。
家の植木鉢で育ててみると、種はぐんぐん成長して、芽が出てぶたの実ができました。
その大きさは、最初はどんぐりくらい、次の朝にはいちごくらい、その次の朝にはレモンぐらいの大きさになりました。
おおかみは、ぶたの実をみんなもぎとって、フライにして食べることにしました。
ぶたたちは、すやすやと眠っています。
でも、
ドンドンドン。
誰かが戸を叩く音に、目を覚ましてしまいました。
主人公のおおかみが、なんとも哀れでかわいそうです。
素朴でやさしい性格なのに、走るのがとんでもなく遅いためにバカにされてしまって。
次から次から色々なことが起こるおもしろい絵本だから、途中で読むのを止めることはありません。
それとは別に、おおかみの幸せを見つけたくて、ページをめくり続けてしまいます。
色々な理由で最後まで目が離せない、とても気になる絵本です。