ニホンカモシカ・ニホンジカ・タヌキの死の写真集です。巻頭の”輪廻転生”目を背けてはならない、とおもいながらファインダーをのぞいていた。花が曲がると思われるほどの死臭が漂う事も有り、ハエのうじが体皮をやぶってわきだしてくることもある。怯むことなく見つめていると、そこには不思議なドラマが展開されていた。「死は生の出発点である」私は自然の新しい摂理を生き物たちから学んだ。とそのまま転記させて頂いたのはこの本を「気持ち悪い」「怖い」「見たくない」と目を背けて欲しくない為にも私のヘタな寸評を書くよりも説得力があると思い手助けしてもらいました。確かに、醜い死骸など見たくない、見せたくないと思うやもしれません。でも自然界では生きるいづれは死を迎える。当たり前の営みであり、嫌が応でも認めなければならないのです。覚悟入りますが、写真家の覚悟と決心、忍耐力を存分に感じ、貴重なドキュメンタリーを体験出来る素晴らしい写真集だと思います。小学生の息子は題名でまずは敬遠していましたが、見た後、静かに本を閉じ「大人にお勧めだな」と。うーん、そうか。巻末までも大人にお勧め、とします。