とっても可愛らしいタイトルがずっと気になっていた絵本。
でも読んでみたら
その内容は想像していたものと全く違いました。
キャラメルが食べたいな…
と思っている病床の弟に掛けた言葉。
「にわのあの木 キャラメルがなるんだって。」
弟が亡くなってからもずっと
おばあちゃんの心を締め付けていたのです。
心残りをさせたまま逝かせてしまった…
自分は弟にうそをついてしまった…って
感じてしまったのでしょうね。
その時はきっと
弟を励ます意味で言った言葉だったでしょうに…。
死んでしまった後の世界の事はわからないけど
逝く人を見送り この世に残る人が
心を痛めて過ごすことの辛さをひしひしと感じました。
そういう意味では
主人公のしんちゃんは
おばあちゃんの心残りをなくしてあげてから
見送ることが出来て 本当に良かったと思います。
もちろん おばあちゃんも
心の重石を取り払ってもらい
穏やかな気持ちで最期を迎えられたに違いないでしょうね。
悲しい結末ですが
誰にでもいつかは訪れる死について
逝く側と見送る側の
両方の気持ちを想像させられるお話でした。