読後感は、せつないの一言。
孤独で友だちが欲しい純粋無垢な心の鬼と、ずるがしこい人間の心の醜さの対比が際立つ絵本です。
広島弁の語り口と骨太の絵は、とても物語にマッチしていて、圧倒的な存在感を醸し出していると思います。
ハッピーエンドの絵本が多い中、こうした作品も必要なのではないかと思います。
子供にとっては、友達を思うときに、大人にとっては、自らを振り返るときに読んで欲しい一冊です。
小さい子であれば、可哀そうと共感できたら一先ず良しと言えると思います。
私は外見でなく中身で判断することの難しさを再認識させられました。
どんな世代にとっても、深く考えさせられる絵本であることに間違いはないでしょう。
蛇足ですが、小学校2年の次男が読書感想文に、間違って「おにひき島」と題名を書いていたのには、言い得て妙だと感心しました。