今年度読んだ絵本の中で最も記憶に残る作品の一つが、「かぼちゃスープ」。
この作品は、その「かぼちゃスープ」のシリーズ第三弾。
登場するメンバーも変わらず、またヘレン・クーパーならではの世界が展開します。
今回は、かぼちゃスープのかぼちゃがないので、別のスープを作るというお話なのですが、末っ子役のアヒルが次々に完成したスープを、まずいと決めつけてしまうのです。
これって、子供の思いこみそのものですよね。
ねことうさぎは、それを何とかしようとする両親という役どころでしょうか。
また、今回はサブストーリーとして、スープを楽しみにしている虫達が、捨てられたスープが勿体ないと立ち上がります。
その細かく作業された絵は、特筆もの。
一読で二度おいしい構成にもなっていて、ヘレン・クーパーの素晴らしい力量に驚くばかりです。
ただ気になるのは、出版社が同じなのに訳者が異なっていること。
やはり、このテイストをシリーズを通して味わいたいので、同じ訳者で統一して欲しかったところです。
何度でも見かえしたくなる絵本で、その都度新しい発見もあること間違いなしでょう。
結末も納得のオススメの絵本です。