中学1年生の読み聞かせというものをはじめてしました。
その課題として渡されたのがこの絵本。
この絵本を読んで、酒井駒子さんの絵本と「ビロードうさぎ」の世界にのめり込んでしまいました。
絵が素晴らしい。話が素晴らしい。
抄訳と知って原型となる物語を読んでみると、見事に「ビロードうさぎ」のエキスが結晶となっていて、素晴らしさを損なうことなく酒井ワールドに昇華されていることが解ります。
お手伝いさんが原書通りナナの名前を持ったことで、登場人物がはっきりイメージできました。
それ以外は、とぎすまされた語りの向こうに物語りが拡がっていることを実感できます。
行間の果てしなさと描かれた絵から拡がる宇宙。
酒井ワールドの素晴らしさです。
クリスマスのプレゼントとして渡されたうさぎと少年の心の通い合い。
病気の少年への献身と、病気の菌のために焼かれてしまうという悲しさ。
本当のうさぎに生まれ変わるという素晴らしさ。
話自体に涙腺は刺激されっぱなし。
クリスマスの時期に最高のプレゼントだと思います。
その物語を自分の世界で再構築した酒井さんに乾杯!