長者様の家のネズミと、貧乏暮らしの老夫婦の家のネズミが相撲をとっています。
貧乏な家のやせっぽちのネズミは投げられてばかりいるけれど、それでも立ち向かっていくのです。
貧乏農家のおじいさんは、やせたねずみに力をつけてもらおうとお餅をついてあげました。
とてもやさしいおじいさん、おばあさんでした。
ネズミはたらふくお餅を食べて、長者さんのネズミに負けなくなりました。
おじいさん、おばあさんの優しさ、心のぬくもりを感じるお話ですが、このお話にはもっと深みがあるように思いました。
長者さんはケチであまり食べ物をくれないようです。
そして、長者さんのネズミと貧乏農家のネズミは仲が良いようです。
ネズミに貧富がないこと、差別意識がないことがこのお話のポイント。
仲良しの相撲は見ていて楽しい。
そして、おじいさん。
損得抜きで人を思いやる心と、登場しない長者さんの関係はどうなのでしょうか。
多分、ネズミのようには付き合えないのではないでしょうか。
それでいながらよそのネズミを思いやる心は、やさしさ以上です。
こんな話を子どもたちに伝えていくことって重要だと思いました。
梅田さんの絵もほんわかと見ている側を包み込んでくれました。