一読すると、ぞうになったら、自分の好きなことができるから、「ぞうって いいなあ。」と言っている、わがままな男の子まあちゃんのお話かと思いました。でもそうすると、最後に、ぞうになったぼくがみんなをおんぶして終わるのは、なんだかおかしいことに気づきます。
そうなんです。これは男の子の大きくなりたいという気持ちを描いた本なのです。
「おのこし」はしないし、どろんこあそびしても自分でシャワーを浴びることができるし、おとうさんとかけっこしても勝つことができる。おにいちゃんとけんかしても、ほうりなげちゃう。
そして、ぼくは、おとうさんとおかあさんとおにいちゃんとおともだち、みんなをおんぶすることができるようになるです。
最後のページに描かれたまあちゃんが、なんとたくましく見えることか。こんな風に、あこがれが成長のエネルギーになっているのでしょうね。