僕の子供の頃は家の周りには田んぼや小川など自然があって、秘密基地を作ったり川でフナをとったりしたものですが、徐々に開拓せれ家が立ち並び、子供たちが走り回れる場所すらままならない環境になりつつあります。
舗装させていない凸凹道、自分だけ知ってる秘密の場所、自然が相手の遊び…そんなものがぎっしり詰まった絵本です。
画ではまぶしいばかりの田舎の風景から“はたこうしろう”さんの『なつのいちにち』を連想します。
ストーリーでは「怖いぞぉ怖いぞぉ」と得体の知れない誰かに追いかけられるようで“こいでやすこ”さんの『やまこえ のこえ かわこえて』を連想します。
昔を懐かしみながら、どうにか子供にも同じような経験をさせてやれないものかと考えさせられます。また、神様やおばけといった意味はわからずとも“畏れる存在”が子供には必要だと思います。
時間も忘れて遊んでいたらいつの間にやら日も暮れかかり、晩ごはんは何だろうなぁと急いで帰る途中、暗い道をハラハラドギドキ走って行くと、遅いぞぉと家族が迎えに来てくれるラスト。読んでいるこちらもホッとして、あったかい気持ちになれます。
子供も一緒にお話しに入り込めたようで、気に入って何度も読みました。