「ライオンのかぞく」シリーズのラストにしては、想像外の展開。おとうとライオンとでチータが主役交代。
動物の中で一番早いチータは、短距離選手ですぐ息切れするのですか。
それにしてもスピード感のある絵の連続でした。
この絵本のテーマは弱肉強食と共存。
大自然の中で、肉食動物は弱者を襲って生きていくのです。家族のために食料を持ち帰るけれど、蓄えることのない彼らは、残りを他の動物に譲っています。共存関係で襲われることはない。
おとうとライオンとかつて戦って傷つけあったハイエナも、食料を得ることができるとライオンを襲うことがない。共存関係は緊張関係かも知れません。
チータの母親が子どもたちに餌を持ち帰り子どもたちが喜ぶところで話は終わります。
おとうとライオンは、狩りの仕方を習得して空腹をいやし、ハイエナに残りを譲って立ち去ります。
ハイエナは、餌を譲られたことでかつての宿敵を攻撃しませんでした。
絵本の後に、様々なドラマを予感させていました。
これが大自然かもしれません。