児童虐待のニュースを目にするたびに暗澹たる思いになります。
特に自分の子供に対する虐待は、何故という疑問とともに、虐待する側の親たちはどんな幼年期を過ごしてきたのだろうかとも思います。
本来親は子供に生きる知恵を授けなければいけないのです。
だって、子供は生まれてすぐにこの世界で生きていくことはできません。
そういうことを教えることが親の役目だと思います。
親にとっての大切なこと。
この絵本を読みながら、読み終わって、考えてみるのもいいでしょう。
この絵本は最初、1949年に出版されています。
文を書いたのは、マーガレット・ワイズ・ブラウンで、1910年にアメリカで生まれました。
1952年には亡くなっていますが、生前100冊以上の作品を発表してきました。
絵はレナード・ワイスガードでマーガレットとは数多くの作品を残しているそうです。
そして、この絵本が日本で出版されたのが2001年のことですから、最初に出版されて半世紀も経ってからのことでした。
翻訳をしたのはうちだややこ(内田也哉子)さん。ミュージシャン内田裕也さんと女優樹木希林さんの長女です。
也哉子さんは小さい頃から父親と一緒に暮らすことはほとんどなかったといいます。
それでいて、これほどに愛情豊かな作品を翻訳されるのですから、父親母親の愛情というのは同じ空間を共有していなくても、包み込んでしまうくらい、大きなものなのかと思っていまいます。
この絵本の最後のメッセージ、「あなたにとってたいせつなのは あなたがあなたであること」、これを訳しながら也哉子さんは誰の声を聴いていたのでしょうか。
親が子供に託せる、最上のメッセージだと思います。