六人の男がいた。素朴な男たちだったが、戦争の引き金を作ってしまった。
なぜ戦争が起こったのか、こんなに単純化してしまうと「いやそうではない」と言われるかもしれない。
人間は考える動物であり、記憶する動物だから、人間ならではの複雑さがある。
戦争の要素は民族であったり、宗教であったり、いろいろだろうけれど…。
この絵本は社会進化の過程と、戦争の起こる構造を見事に視覚化していて、本質を語っている。富を求めること、財を守ろうとすること、そして疑心暗鬼。
戦争は極めて人間的な行為である。
マッキーは単純な線で描き、カリカチュアともいえるような表現をしている。
子どもにとっては教科書かもしれないが、大人にとっては社会を考える研究書にも思えた。
戦争が起こったのは、六人の男たちが純粋だったからである。