1997年のコルデコット賞オナー賞受賞作品。
作者のミンフォン・ホは、ミャンマー出身なのですが、幼少時代をタイで過ごしたとあり、その時の思い出を描いた作品だと思われます。
舞台は、タイののどかな農村地帯。
子供をハンモックに昼寝をさせたお母さんが、周りで音をたてる者達に、静かにするようお願いをして回ります。
蚊、やもり、ねこ、ねずみ、かえる、ぶた、あひる、さる、水牛、果てはぞうまで登場するので、その自然環境に圧倒されてしまいます。
そのタイの風景も、家とか倉庫が高床式だったり、そもそも家が藁葺きだったりして、見るものを楽しませてくれることでしょう。
お母さんというのは、どこの国でも同じと感じさせてくれますが、愉快なのは、子供が実は寝ていないということ。
お母さんが、子供が寝ているから静かにとお願いしている最中、子供は家中を這いずり回っているのです。
タイの雄大な自然と切り絵のような画風もピッタリ合っていますし、次から次へと動物達が登場するテンポも良く、就寝前にオススメの一冊です。