マイケル・フォアマン、アーサー・ビートのコンビによる2010年のイギリスの絵本。
アメリカ生まれの日本を代表する詩人という触書のアーサー・ビートが、とても気になりました。
彼は、卒論の執筆時に日本語に興味を持ち、1990年6月に単身来日。
来日後、通っていた日本語学校の教材の小熊秀雄の童話『焼かれた魚』を英訳した事をきっかけに、日本語での詩作、翻訳を始めたそうです。
現在は活動の幅をエッセイ、絵本、ラジオパーソナリティなどに広げており、全国各地で講演活動等も行っています。
いわむらかずおさんの「14ひき」シリーズの英訳もされており、日本の作品が英訳されて紹介されることは、非常に好ましいことだと思います。
物語は、主人公のぼくが、真夜中に外の音で目覚めるシーンから始まります。
何と、世界中の動物達が集まってきたのです。
そして、ぼくの家の前に整列して、歌を歌い始めたのです。
「みんな目覚めて
早く目覚めて
今、目覚めなきゃ
間に合わない!
みんなの地球が
崩れている!
燃えている!
沈んでいる!
ゴミの山に埋もれる!
早くみんな
早く目覚めて!」
その後のページで、具体的に氷が溶けシロクマが困っている姿や、砂漠が広がって食物がなく困っているヤギの姿等があり、今の環境問題を明確に表現しています。
そう、これは、地球の環境問題を考えさせる絵本なのです。
最後には、ぼくが警鐘を鳴らす文章があって、結構読ませる構成になっていると思います。
構成自体は理解出来るのですが、環境問題を訴求するのであれば、もっと具体例を打ち出した方が、子供の理解は進むような気がしました。
ただ、こうした作品は貴重で、読み聞かせして考えさせることは必要だと思います。