2005年度コールデコット賞受賞作品。
月にまつわる絵本と言えば、マイケル・グレイニエツ「お月さまってどんなあじ」、エリック・カール「パパ、お月さまとって!」、林明子「お月さまこんばんは」あたりが定番。
世界最高峰の絵本という但し書もあって、期待して読んだのですが、その領域なのか一寸疑問符かなというのが、第一印象です。
物語は、まんまるお月さまを見上げて、ミルクの入ったお皿と勘違いした子猫が飲もうとして追いかけるもの。
飛びつこうとしたり、走って追いかけたり、木に上ったりしても届きません。
果ては、池に映し出されたお月さまめがけて飛び込んだりと、良くある展開です。
諦めて家に帰ると素敵なご褒美があるというエンディングで、割とすんなりと読める絵本でした。
追いかけても追いかけても、手の届かないものがあります。
大人では当たり前の月もその一つであって、そんなことを知るのも大切なこと。
モノクロの絵は、輪郭がかなり太いものなので、これなら、ファーストブックに近い年齢でもOKな範疇です。
話として理解できなくても、子猫の表情、動きを見るだけでも、楽しめるので、あかちゃんでも飽きることなく読み聞かせできるでしょう。