強情なスザンナ。大事な花びんを壊しておいて、自分のお金で弁償するからいいと素直になれません。
反抗期でしょうか?
両親の解決法はとてもドライ。スザンナのおもちゃを子どもたちで競りにかけて、花びんの弁償代を作ろうと言うのです。(日本では考えられませんね)
自分の大事な物のはずなのにスザンナはそれでもあやまりません。
最後にスザンナの頑な心を開いたのは、競売にかけられた他のおもちゃではなく、ボロボロになった人形でした。
それほどに愛された人形。ほんとうのものになった人形はスザンナが心許せる友だちだったのですね。
話の終わりに、売った物はもう帰らないと釘がさされていますが、これって日本で考えたら「やりすぎ」。こういう教育もあるんだな〜。
と、この本は「ビロードうさぎ」も重要な物語です。
ほんとうのうさぎになったビロードうさぎのお話し。
後に「ビロードうさぎ」だけでいしいももこさんが翻訳し直していますが、この本では言い回しの古さとともに輝いているものを感じることができます。
2002年に出版された「ビロードうさぎ」と読み比べてみることをお薦めします。
この本については、「スザンナのお人形」と「ビロードうさぎ」をカップリングにした企画といしいももこさんの思いに賛辞を送りたいと思います。