米原万里さんのエッセーで、映像や活字にされた食べ物を食べたくなるには法則がある、というのがありました。馴染みの素朴な品であることと、主題ではなく小道具やディテールであること。さもありなんと思います。ぐりとぐらシリーズのどれにも、身近なカステラとかオムレツとかが、実においしそうに登場します。のねずみのぐりとぐらは、この世でいちばん好きなのは、お料理すること食べること、なのです。これを読んでは、こどもとクッキーやカステラを焼いて騒いでしまうのは、影響されやすい私だけでしょうか。楽しい楽しい絵本です。名脇役のおおかみさんやこぐまちゃんなどもうちでは人気で、この絵本のこっちにいたけどあの絵本のここにもいておんなじだ、等と大喜びです。