まず、絵がきれいです。線が柔らかく、色彩が美しいです。
このまま、1枚1枚、額に入れて壁に飾ってもよさそうな…。
ベスコフの絵の美しさには定評があるようですが、
これまでに見たベスコフの絵本の中では、絵柄に関しては特に気に入りました。
ストーリーを追っていくと、楽しいところも多々あります。
留守番中の子供たちが、おかあさんに喜んでもらおうと煙突掃除をしたものの、服が真っ黒になってしまい(思わず笑ってしまいました)、それをどうしたものかとあたふたしているシーンだとか、
おかあさんが、あふれんばかりのワタスゲを船に積んで帰ってくるところとか、微笑ましい場面も多いです。
ただ…、この終わり方にはちょっと首を傾げてしまいました。
なぜ、小人のおじさんが、子供たちのおかあさんに求婚するのか? しかも、このおじさんは年齢的にはかなりおじいさんに近いと思われ…まさかそんな展開になろうとは思いもしなかったので、正直、びっくりというか、ぶったまげました。
最後に『というわけで、このおはなしはめでたしめでたし。』とあるので、“そうか、ハッピーエンドなのか”と自分を納得させるしかなかったのですが(笑)、
まぁ、これは大人から見た感想で、子ども達は黙って聞いていましたので、それほど違和感はなかったのかな?とも思います。
欲をいえば、結婚式のシーンで、子ども達がもっと喜んでいる様子が見えたらよかったな、とか、山ほど持ち帰ったワタスゲで新しく作った服を子どもたちに着せるまで見せてほしかったな、とか、細かい?希望はありますが、
基本的には、絵がきれいなので「ま、いいか!」という感じです。(笑)