ヨゼフ・ウィルコンが大好きなので、手に取りました。
いつもより写実的な絵ですが、やはり出てくる動物達の愛らしさは健在です。
あざらしのクララが、おかあさんから、「もしおかあさんが帰ってこない日がきたら、一人で泳ぎだして、自分で自分の幸せを見つけにいってね」と言われます。
そして、その日がやってくると、クララは思い切って、幸せを探しに泳ぎだしますが、おかさんは「幸せ」がどこにあるのか教えてくれなかったので、いろいろな生き物たちと接触しながら、クララは幸せを目指します、というお話。
一人ぼっちで、出会う人々(生き物)も親切ではないのに、全体に漂っているのは、切なさや悲しみではなく、幸せに向かって進んでいるという明るさです。
親の目線で読むと、最初のおかあさんのセリフと、果敢に水に飛び込んで幸せ探しを開始するクララの姿が胸を打ちます。
結果的に幸せの形が何であれ、幸せを目指して第一歩を踏み出すことが、子どもにとって最大の偉業の様に感じてしまうのです。