『かんがえるアルバート ぼくのじかん』は、「世界一みじかい哲学の本」シリーズの一環で、時間と自由について考えるアルバートの物語です。アルバートは、遊びたいのに親に何度も止められる経験から、「とまれ!」と叫びながら、時間を止めることができたらと想像します。
この絵本では、アルバートが夜空を眺めながら自由に思索を巡らせる様子が描かれています。誰にも邪魔されない静かな時を過ごしながら、彼の思考は次第に広がりを見せ、無限の宇宙へと飛び立っていきます。そして、その日の終わりには、考え疲れて眠りにつくアルバートがとても愛らしい姿で描かれています。
ラニ・ヤマモトの生き生きとした物語と、谷川俊太郎の翻訳による鮮やかで楽しい絵は、ちょっと難しいテーマをもアクセシブルで魅力的なものにしています。この絵本は、子どもたちが自分自身の時間をどう価値づけるかを考える良いきっかけを提供し、日常の中で「時間」とどう向き合うかについて一緒に考える機会を与えます。
『かんがえるアルバート ぼくのじかん』は、ただの物語を超えて、子どもたちにとっての思考の楽しさとは何か、そして日常の一瞬一瞬をどう大切にするかを再発見させる一冊です。小学校高学年の子どもたちや哲学に興味がある人々にとって、特に楽しい読書体験を提供してくれると思います。