ミリーの想像力に感心することしきりでした。
何も被っていないミリーが、
次々に変わる、夢いっぱいの帽子を被っていると想像できることも素敵だし、
ミリーが出会った人の気持ちを想像することで
それぞれ違った、その人だけの帽子が見えたこともすごいなぁと思います。
暗くて寂しい水たまりの帽子のおばあさんが印象的でした。
ミリーに微笑みかけられたら、帽子だけじゃなくて、表情も足取りもすっかり変わってます!
他人を思いやるという想像力は、通りすがりの人をハッピーにする力もあるのかもしれませんね。
年長の息子に読み聞かせたところ、
見たことのない色鮮やかな帽子に大注目。
見開きいっぱいのクジャクの羽の帽子には「わぁーっ」と歓声を上げ
「オレはこれ!」と言っていました。
(彼の頭上じゃ落ち着かなくて、クジャクは数秒で逃げ出すでしょうが・・・。)
私のお気に入りは、帽子じゃなくて、帽子屋さんです。
シャンデリアがあるような高級なお店なのに、
からっぽのお財布を見せた女の子に
「おきゃくさまのそうぞうしだいでどんなぼうしにもなる、すばらしいぼうし」
を紹介する、誠実でユーモアたっぷりの紳士な接客。
かっこいい!
最後に気になったのが作者紹介。
挿絵が、本編の公園にも描かれていた、タイタニック号みたいな帽子をかぶった男性なのですが、
北村さんが本編にこっそり登場してたってことなのかしら?
明るい前向きなミリーの元気をもらえそうな絵本。
小学校低学年の課題図書だったようですが、
年少さん位〜のお子さんと、
素直に想像の帽子の数々を楽しんでもいいんじゃないかな?と思います。