2010年のクリスマスシーズンに合わせて発刊されたもの。
クリスマスのプレゼントにまつわる物語です。
登場するのは、お母さんと姉弟。
主人公はお姉さんで、「おかあちゃんは、どうして サンタさんに プレゼントを おねがいせえへんの?」という書き出しで始まります。
おかあさんは、何でも 自分のことは 後回しなんやという心の声がありますが、正しく世のお母さんのことを鋭く表現したものだと思います。
そんな姉弟が、お母さんのために欲しがっているバッグを福引で当てようとするのがメインのストーリー。
途中、姉弟のやり取りに泣けるシーンもあるのですが、それは、あくまでも親が読んだらの話。
余りにも物語を創作している感が強すぎて、一寸馴染めない部分があると思いました。
それと気になったのが、お父さんが登場しないこと。
そうした家庭設定なのかも知れませんが、この点も作り過ぎの気がしました。
昭和の良き時代を彷彿させる絵は、郷愁があって大人にとっては良いのですが、現代らしい福引を描いた方が良かったのでないかと思います。
私自身は、お母さんと行った小さい頃の福引がとても懐かしく思いましたが、年少くらいまでの読み聞かせが良いと思います。