偕成社からでているシャーロット・ゾロトウ作、絵:ハワード・ノッツの青緑色の
表紙の絵本『かぜはどこへいくの』は、私の“バイブル”というか絶対なる安堵感
をもたらせてくれる大切な本なので、いつか原書を読んでみたいと思っていました。
そして、図書館に英語版があるようだったので予約して、長いこと待って、ようやく
今日、取りに行ったら、他に何冊かも取り寄せていたので、「あれ? 青緑の本が
ないぞ?」と、慌ててもう一度、本のチェックしてみたら、全然違う表紙の『WHEN
THE WIND STOPS』という本が入っていて、「え〜!! これは同じ題名の違う本
なんじゃない?」と、これまた慌てて中身を見てみたら、ちゃんと作者がゾロトウに
なっていたので、軽くショックを受けながら持って帰ってきました。
でも、読んでみると、やっぱりゾロトウが書いていることが私の心にはとても響きます。
Nothing ends. It begins in another place or in a different way.
どうやら、英語版は1995年に板絵で有名なこのステファーノ・ヴィタール(Stefano
Vitale)さんの絵のバージョンの絵本が出たようです。
従来のハワード・ノッツさんの白黒画とは正反対の色鮮やかなバージョンに本当に
当惑し、なんか神秘性がなくなった感じがしますが、でも逆に暗い感じがなくなった
ので、これはこれで魅力があるのかもしれません。特に、板目がとても有効的に使わ
れているのが目を見張ります。
ただ、オリジナルで私が好きだった、
みちは、ずっといって、みえなくなったら、どこへいくの?
おふねはどんどんいって、みえなくなってからどこへいくの?
きしゃはトンネルにはいってから、どうなるの?
が割愛されているのも、とても残念でした。
でも、ゾロトウの原文は本当に素敵でした。