この本は人気絵本作家の長谷川義史さんが季刊誌「この本読んで!」の巻頭に連載していたエッセイをまとめたものです。
この本の話の前に「この本読んで!」という雑誌について書いておきます。
この雑誌は出版文化産業振興財団が発行していて、2月5月8月11月の年4回発行の季刊誌です。「絵本の読みきかせ」や「おはなし会」のための絵本えらびのヒントが詰まっていて、そういう関係のお仕事やボランティアをされている人には人気の雑誌のようです。
そこに長谷川さんは9年間も連載しているのですから、長谷川さんの絵本作家としての人気も今や不動の域にはいっている感じがします。
このエッセイでも長谷川さんのあの独特な手書きの文字と破天荒な絵で、まるで小学生の絵日記のように綴られています。
長谷川さんのことをよく知らない人が見たら、本当に小学生が描いたのかと勘違いしそうです。
そんな長谷川さんの絵と文章を見ながら、どうして長谷川さんは人気があるのだろうと考えてみました。
そして、思ったことは長谷川さんの絵もしくは文章には「いのち」そのものがあるのではないかということです。
どんな優秀な人にも欠点があります。あるいは、どんなに幸福な人にも悲しい涙が流れます。そういうことすべてをひっくるめて「いのち」と呼ぶのだと思います。
長谷川さんの絵もしくは文章にはそんな「いのち」を感じさせるものがあるのだと思います。
そのことは小さな子どもだってわかるのでしょう。
だから、長谷川さんの絵本は子どもからおとなまで人気が高いのではないでしょうか。