ショートショートの神様、星新一さんの傑作が14作収録されています。
全体を通してどれも奇妙なお話なのですが、ラストはゾッとするような恐怖を感じるもの、ジーンと感動するものなど様々。
どれも短いお話なので読みやすいです。
本のタイトルにもなっている「おーいでてこーい」。
底なしの穴にあらゆるものを捨てる人間たち。
いらないもの、汚いものはすべて穴の中に投げ込み、都会がきれいになったと思ったら、思わぬどんでん返しが待っています。
この作品、1992年にテレビの「世にも奇妙な物語」に「穴」というタイトルでドラマ化されています。
この「世にも―」シリーズが好きで放送は必ずチェックしているちょっとしたマニアな私なのですが(笑)、この作品はかなり衝撃的で、ずっと覚えています。
テレビでは分かりやすくするためにいろいろ説明臭かったりするのですが、この原作はスッキリしている分、あとからジワジワと怖さがこみ上げてきます。
ゴミ問題を風刺しているように思えるのですが、星さんがこの作品を書かれた当時はまだそれほどゴミ処理問題が深刻ではなかったとのこと。
とすると、他の作品にあるような未来図ももしかしたら近い将来現実になるのかも・・・
そう思うと、それぞれの作品がちょっと怖さを増してきます。