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宮沢賢治の絵本 なめとこ山の熊自信を持っておすすめしたい みんなの声

宮沢賢治の絵本 なめとこ山の熊 作:宮沢 賢治
絵:あべ 弘士
出版社:三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2007年10月
ISBN:9784895881159
評価スコア 4.38
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みんなの声 総数 12
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  • 鮮やかな色使いの挿し絵

    あべ弘士さんの描く自然や動物はとても迫力があっていつも圧倒されるのですが、こちらも鮮やかな色使いの挿し絵に目を奪われました。
    雪国の自然の厳しさや美しさがダイレクトに伝わってくる感じです。
    宮沢賢治の文章もまた美しいです。「この次には熊なんぞにうまれるなよ」。獲物と漁師の関係を超えた、なめとこ山の熊と小十郎の関係が胸を打ちました。

    投稿日:2014/07/02

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  • 命について深く考えさせられます

    切ないけど、美しい作品です。そして、命について、深く深く考えさせられます。

    私たちは生きるために、たくさんの命を頂いています。頭ではわかっていても、そのことをしっかりと理解して、大切に頂いている人はどれだけいるでしょうか?

    3歳の娘がもう少し大きくなったら、この作品を読んで〈命〉について伝えて行きたいと思います。

    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

    この作品はストーリーの奥深さと共に、あべ弘士さんが描かれる動物達も素晴らしく、作品に重厚感を持たせています。

    投稿日:2014/06/29

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  • 生きるために

    このお話、何度も読み返しました。

    動物は必要以上に殺したりしません。
    今日生きるため、その為だけです。
    そして小十朗も、欲のためではなく生きるために…

    お互いにそれをわかっていたから、熊たちは小十朗が好きだったし、きっと小十朗も熊たちが好きだった。

    でも、熊たちだって鉄砲で撃たれたりするのは好きではなかった。
    小十朗も猟師なんかしたくなかった。

    ずっと苦しくて切なくて悲しかったのだろう…
    小十朗は猟師で、熊は熊。
    それは因果だと、きっと自分に言い聞かせていたんですね。

    そして一月のある日の朝、小十朗はもう遠くへいってしまうようでした
    そして小十朗の母も、それを悟ったようでした

    「おお小十朗おまえを殺すつもりはなかった。」という熊に、小十朗はすんなり死を受け入れます。
    「熊ども、ゆるせよ。」
    小十朗の最後の言葉は、今まで悪かったという事なのか、死んで悪かったという事なのか…

    小十朗の死顔が笑っているようだったのは、こうなったのも因果だという、熊たちへ向けたメッセージだと思います。
    そして小十朗自身、どこか安心したのだと思います。

    最後、熊たちは小十朗の周りに集まって少しも離れようとしませんでした。

    …何か声をかけていたのでしょうか
    今まで小十朗が仕留めた熊にしていたように。

    本当は憎むべき存在なのに許し、心を通わせ合った、小十朗と熊。

    とてつもない…深い絆を感じました。

    あべさんの絵は堂々としていて、静かで凛とした、命の重さを感じます。
    熊が撃たれて倒れている場面は胸が締め付けられますが、一番好きです。

    投稿日:2014/06/25

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  • こんな終わり方とは…

    熊捕りの名人の小十郎と、出会った熊たちの心のやりとりには、どこか切なさを感じました。
    生きるために、熊を撃つ小十郎の気持ちは、なんとの深いものがあるのでしょう。そんな命のやりとりに触れた作者の心の深さに感動しました。
    また、あべ弘士さんの描く動物は、迫力があります。大自然の中での小さな人間、そしてまるで影のような存在の熊の描写は、さすがだなと思いました。

    投稿日:2014/02/16

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  • 熊と猟師の因果

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子20歳、男の子17歳

    宮沢賢治の有名な童話に、飼育係の経験がにじみ出てた動物画のあべ弘士さんが絵を添えています。
    なめとこ山の熊を仕留めるのが、猟師小十郎の仕事なのです。
    貧乏ゆえ、それしか家計を支えるすべを持っていなかった訳です。
    その様子が、語り手による第三者の視点で綴られます。
    熊との対峙、荒物屋で安値で買い叩かれる光景、そして、壮絶な最期。
    宮沢賢治の思想が深く反映された作品です。
    狩猟という、生死の淵での仕事を、小十郎は因果だと位置づけ、
    対峙する熊とも心を通わせます。
    教科書でも、小学校高学年以上で取り上げられているようですね。
    生命について考えさせられる、とても奥深い作品です。
    それぞれの情景が、あべさんの力強い絵でさらに豊潤となっているように思います。

    投稿日:2013/10/17

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  • 熊と小十郎の因果

     熊の命としっかり向き合って、熊の命をいただく小十郎。
     「てめえも熊に生まれたが因果なら、おれもこんな商売が因果だ。
     やい、この次には熊なんぞに生まれるなよ」という小十郎の言葉が印象的でした。熊の耳に届いたでしょうか。死に際の熊の表情が深いなと思いました。

     満月の下で、亡くなった小十郎を取り囲む熊たちにしみじみしました。小十郎に殺された熊も小十郎自身も、みんななめとこ山の自然に帰って行くんだなと思いました。

     あべさんの描かれる熊には、野生の厳しさが感じられます。お話にぴったりの絵でした。

    投稿日:2010/10/27

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