前作「なぞのうちゅうじん」で、あやうく結婚させられるところだった宇宙人の王女様が、ゾロリを諦めきれずに地球まで押しかけてくる。偽の婚約者を用意し、適当にごまかして逃げようとする我らがゾロリ。しかし計画は上手くいかず…
なぞなぞが全てに優先する世界は、大変だ。いたるところになぞなぞがあり、なぞなぞが解けないと先に進めない。時に命の危険すらある。もちろんなぞなぞを解く&作るのが上手だとエリート扱い。モテるし、将来も有望。地球とは違う価値観、美的感覚が新鮮な一冊。
地球では迷惑がられているゾロリも、宇宙の基準では優秀で魅力的な王子様候補者となる。今までいたずらをし放題なゾロリだが、この作品ではあまりの宇宙人の理不尽さで、ゾロリがかっこよく見えてくる。
基準が違ってくると、見える世界が全然違ってくる。
何か困ったことがあったら、考え方を変えて世の中を見たら、うまい解決法がみつかるのではないか、と気づかされる。…とは深読みしすぎか。
あちこちになぞなぞがあるので、物語となぞなぞの2つの楽しみがありボリューム感満点。答えは宇宙文字で書かれているので、前作の宇宙文字対応表が必要になってくる。
2冊売りつけようとする、戦略的な児童書だ。まいった。