以前、「MOE」の特集で、今江祥智さん・江国香織さん・小野明さんが、21世紀に残したい絵本100冊を選んでおられました。お三方が文句なしに「21世紀で花開く人」だろうとおっしゃっていた、そのお1人がささめやゆきさん(男性)です。
そのなかでも、小野明さんは、この本「マルスさんとマダムマルス」で文句なしと。
それで、かなり以前から気になっていた本をようやく手にしました。
本を開くと、漢字まじりの文章。そして、どこか明るさのなかにも暗さがただよっているような絵。どちらかといえば、学生生活を終え、自立しなければならない大人が読むとより心にしみてくるかなあと思える作品です。大人のための絵本って言える一冊だと思います。
毎日毎日朝が来て昼をすぎ夜が来て。。。と同じ生活。でも、変わっていくものがあり、変わらないままのものがあり。そんななかで、自分を支えてくれるものがある。どこにいても、1人で生きているんじゃないんだなあと、思わせてくれます。
ささめやさんの本は、文以上に絵画の表現が大きいです。絵に作者の気持ちがあふれています。ぜひぜひ体験してみてください。