ナンセンス絵本の好きな私がこの本には惹かれなかった。
なんで、プリンの上で縄跳びしなきゃならないの?
なんで、アイスなの?
もっと安全なところですれば良いのに。
と。
この本を読んでいる間、とても不安になる。やっと、かたいビスケットが出てきて地面が出てきてホッとする。
だけど、地震ときてまた不安になる。
そして気づいた。
ああそうか、私たちはなんと不安定なところで生きているのだろうかと。
安全と思い、安心のよりどころにしていた大地でさえ裏切るのだ。
プリンの見かけに騙されてはいけない。
この絵本は警告しているのだ。安全な日常などないのだと。
あの未曾有の大震災の後、この絵本を読んで良かった。
年月がたてば、震災の記憶も薄れるだろう。でもこの本を開けば、この感情が蘇るにちがいない。