「わたしのぼうし」と同じくらい好きな作品。ぼうしだったり、かさだったり、誰にでも、心の底から愛着を抱いている大切なものってありますよね。かたちに関係なく、大人でも、子どもでも、「大切」と思う気持ちに変わりはないと思います。
おじさんにとって、黒い傘がまさにそんな存在。でも、大切に思うあまり、雨の日に傘をさせません。傘が濡れてしまうのがいやだからです。その気持ちもまたわかるなぁ、と思いました。
子どもだったら、シールを貼らずにしまっておきたい、という感じかな? 私の場合、素敵な子供服をクローゼットに掛けて眺めているうちに、子どもが大きくなってしまった(!)なんてことも。
でも、使ってこそ、「物」なんですよね。それでこそ特別な愛着もわき、思い出にも残る。
おじさんにそのことを気づかせてくれたのは、雨の日に楽しそうに傘を差す子どもたちでした。
子どもって、雨が大好きですものね。
「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったら ピッチャンチャン」
本当に子どもは純粋に雨の音を楽しんでいるんだろうな、と思います。
学校帰りに濡れてはかわいそう、と車で迎えに行ったら、「せっかくお友だちと楽しくぴちゃぴちゃやってたのに!」と、言われてしまった日のことを思い出しました。
雨の日が楽しくなる絵本です。