3人の子ども達とおばあちゃん、帽子屋さんの織り成す心温まる実話を描いた絵本です。子ども達が力を合わせ、おばあちゃんにイースター・ハットをプレゼントするエピソードには、南部バプテスト文化、東欧ユダヤ文化など……米国らしくさまざまな背景が紡がれ、感動の起因となっています。同時に愛情、友情、信頼といったものがそのまま描かれ、最後はいつも涙になります。最初に英語で読み涙ものでしたが、日本語でも同じでした。息子には「ママ、また泣いてる」と慰められました。今年のイースターには絶対、息子と読みたいと思っていました。ポラッコの作品では「彼の手は語り継ぐ」(”Pink and Say”)と合わせ、1番のお気に入り。
いつかオークランドを訪ねることがあったら、カレッジ通りを歩いてみたいと思います。スチュワート、ウィンストンと作者たちの見た風景が残っているといいなあ。ユーラおばあちゃん、カジンスキーさんの描写がすばらしいので、ゴスペルを熱唱するユーラおばあちゃん、悲しい過去を背負い生きるカジンスキーさんの姿は、本を開くたび目に浮かびます。