菅谷さんの活動は、テレビで見たことがありました。
チェルノブイリ事故後に、甲状腺がんが激増し、その受難は子どもたちの身にふりかかりました。
当時勤めていた信州大学を辞めて、五年間無給でチェルノブイリの医療にあたったのです。
赴任したベラルーシは貧しく医療技術も発達しておらず、甲状腺がんの後は首筋に傷跡が残りました。
菅谷さんは、首に残る跡を最低限にして、また術後の経過も見守ったとうことです。
この本の中では単に手術をした医師と患者というだけでない、個人の心のつながりがあります。
菅谷さんの意志もさることながら、ひたむきに生きるベラルーシの子どもたちと、子どもたちと菅谷さんの心の交流に深い感動を覚えます。
甲状腺がんは、事故後に爆発的に増えていきます。
手術を受けても、薬を飲み続けなくてはならないということです。
それを思うと、どうしてもっとチェルノブイリから私は学んでこなかったのかと、その関心のなさを恥じ入るばかりです。
何とか子どもたちを被爆が守りたいと思っています。そのために、まずチェルノブイリに学びたいと考えています。
高学年の子どもたちなら読める内容ですが、まずは大人から読んでもらたいと思う本です。