おじいちゃんの手自信を持っておすすめしたい みんなの声

おじいちゃんの手 作:マーガレット・H・メイソン
絵:フロイド・クーパー
訳:もりうちすみこ
出版社:光村教育図書 光村教育図書の特集ページがあります!
税込価格:\1,540
発行日:2011年07月
ISBN:9784895728287
評価スコア 4.88
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  • 人種差別を考える入門書

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 広島県
    • 男の子12歳、男の子6歳

    アメリカの人種差別を題材にした2010年のアメリカの作品。
    人種差別を題材にした作品というと、「ローザ」「むこうがわのあのこ」「キング牧師の力づよいことば」等のコールデコット賞を受賞した作品が思い浮かびます。
    ただ、これらはどれも骨太の作品で、理解するのにある程度の年齢に達していることが条件です。
    それに比するとこの作品は、題材が身近なだけに、人種差別を考える作品の入門編と言えると思います。

    物語は、おじいちゃんが孫のジョ−ゼフに、靴紐の結び方、ピアノの弾き方、トランプの切り方、ボールの打ち方なんかを教えるシーンで始まります。
    共通しているのは、「手」

    そして、おじいちゃんは、昔、パン工場で働いていた時、黒人ということでパン生地に触ることを許されなかった時代のことを話し始めます。
    1950年代から1960年代の初めまで、アメリカの大手パンメーカー3社、ワンダー・ブレッド、テイスティー・ブレッド、オーリーの工場では、アフリカ系アメリカ人に対する明らかな差別があったとのこと。
    彼らは、床の清掃、トラックへの荷の積み下ろし、機械の修理などの仕事は出来ましたが、パン生地を扱うことは許されなかったのです。

    そして、黒人達が立ち上がった様が描かれて、今があるとしています。
    最後は、ジョーゼフの目線で語られますが、やはり共通しているのは、「手」

    今回の題材は、人種差別の些細な出来事でしかないかも知れませんが、こうした歴史は、やはり記録として伝承すべきことだと思います。
    そうした観点からすると貴重な作品であって、しかも、その題材が身近なだけに衝撃的な事実として受け止めることのできるものです。
    「手」に焦点を当てたストーリーも良いし、おじいちゃんの目線から孫の目線に自然に移行する展開は、実に分かり易いもの。
    また、油絵の絵具で描いた絵を練り消しゴムで消すという独特の技法の絵は、優しいタッチで、読み手の心を揺さぶってくることでしょう。

    小学校低学年のオススメの絵本です。

    投稿日:2011/11/05

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  • 大切なことを知ろう。

    祖父と孫の、手をモチーフに絆と愛が感じられる本ですが、それだけではありません。
    昔パン工場で働いていたおじいちゃん。
    黒人というだけでパンに触らせてもらえなかったという現実。
    人種差別について小学校低学年の子供にも伝わるように書かれた社会性を感じる本でした。
    みなで考え正しい社会を作っていきたいですね。

    投稿日:2019/05/12

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  • 素晴らしい本です。

    • 梅木水晶さん
    • 30代
    • ママ
    • 山形県
    • 女の子5歳、男の子3歳、女の子0歳

    短い文章でありながら、黒人の方々が虐げられてきた歴史を、子供達にもわかるよう、物語として簡潔にまとめています。何でもやれる、その言葉に込められた重みを感じました。もっとこのような素晴らしい絵本が増えればいいのに…。

    投稿日:2017/05/25

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  • おじいちゃんの魔法の手

    このお話は、黒人のおじいちゃんが黒人でも何でもできるんだよっていう事を黒人の孫に教えてあげるお話でした。うちの子はこの絵本を見て、昔アメリカで白人は黒人を差別していたことを知ってビックリしていました。絵本を読んで人種のことも学べて、そういう意味ではとっても素敵な絵本でした。

    投稿日:2016/04/25

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  • 未来を手にするということ

    • くるしまたろうさん
    • 40代
    • せんせい
    • 千葉県
    • 男の子14歳、男の子11歳、男の子9歳、男の子7歳

    おじいさんの働いてきた手の話かと思ってめくると
    そこには公民権運動の手の道のりがありました
    子どもが目にするテーブルにおいて
    子どもたちの声を聞いてみようと思います

    もしかしたら、変えなければならない今があるかもしれないし
    今があることが当たり前でないことを知ってほしいから

    子どもたちが読まなかった時には
    夕飯を食べたあとで静かに読もうかと思ってます

    投稿日:2014/08/31

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  • なんでも出来る手

    黒人に対する、人種差別のお話です。
    キング牧師など有名な人物はいますが、この絵本の中に登場するのは、ごく普通の人です。
    それだけに、日常的にどんな差別があったのかが、身にしみるようにわかります。
    そして、そんな普通の人でも、力を合わせて立ち上がれば大きな声になるということが、勇気づけられます。

    投稿日:2013/05/08

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  • おじいいちゃんが孫に靴ひもの結び方を教えている、ピアノを弾いたり野球を教えたり
    このふたりの関係はごくあるおじいちゃんと孫の幸せな関係です。

    でもこのおじいちゃんの生きてきた中にはこんなことがあったんだよ
    孫に伝えたのは 黒人であることへの差別
    黒い手でパン作りをさせてもらえなかった 悔しさ!

    しかし このままで終わらず黒人差別に対して反対の運動を起こしたこと、その中で勝ち取った 平等!

    孫の時代には人間は白人であろうが黒人であろうが 平等に生きられるんだよ
    おじいちゃんは、孫にそう伝え、そこへ至るおじいちゃんの悲しみと戦いの生き様を伝えています

    人間の尊厳、平等の精神をこれからも守り引き継ぐために
    この絵本は 静かに 力強く語ってくれます

    高学年の子どもたちには読んであげたい本です
    大人が子どもに伝えていくことの大事さが分かります

    良い絵本に出会えました!

    投稿日:2013/03/06

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  • 手が問いかけるもの

    1950年代から1960年代の初めというと、まだ4、50年ぐらい前、そんな時代のアメリカでは、パン工場で黒人が生地を触ることを許されなかったということです。

    前に『ローザ』を読んだ時にも、差別が根強く残っていることに驚いたのですが、市民レベルでの差別というのは、制度が変わった後でも根強く残るようです。

    本文の中では、声高に差別されていたことを訴える調子ではなく、おじいちゃんが孫に語りかける優しい穏やかな調子なので、より一層その差別についてを考えさせられます。

    手を通して私たちはいろいろな仕事をし、人を助け、人とつながっていく、絵本の中には「手」を題材にした様々な作品がありますが、そのどれもが問いかけるものが深い気がします。

    この作品もおじいちゃんの手に人生に刻まれてきた深い苦悩が忍ばれます。

    読むなら高学年以上のお子さんだと思いますが、アメリカの一面としてこういうことがあったということは知っておいてもいいことだと思います。

    投稿日:2013/02/10

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  • 人間としての尊厳

    • 風の秋桜さん
    • 40代
    • その他の方
    • 埼玉県
    • 男の子、男の子

    独特の技法で描かれたイラストは味わいがありますね〜深いというか・・・
    絵を見ているだけで、おじいちゃんの過ごしてきた歴史的背景と大意が伝わってくるようです
    人種差別という苦い経験は、やがてキング牧師、ローザーパークス女史らが勇気を奮い起して立ち上がり、人間としての尊厳を勝ち取ったきっかけにもなりました
    時代は移れども、おじいちゃんの手を通して、一人の庶民もまた勝ち取った歴史を、孫に伝えていく精神が根幹に流れています
    小学校高学年くらいなら理解してくれるでしょうか・・・

    今の日本には今一つ足らない部分かもしれません

    投稿日:2011/11/29

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  • その手で勝ち取ってきたもの

    なんでも器用にこなすおじいちゃんの手。
    そのおじいちゃんがその手でできなかったことは、パン工場で働いていてもパン生地に触ること。
    おじいちゃんが苦労して、やっとのこと肌の色とは関係なくパンを作れるようになったことをジョーゼフに語ります。
    あまりに日常的な手の話から人種差別に対する運動まで、事実をテーマにして話は飛びます。
    ジョーゼフにとっては、おじいちゃんに教わったようにはなかなか上手にできなかったけれど、今ではパンでも焼けるようになりました。
    その自慢気な表情は、おじいちゃんが勝ち取ってきた権利への感謝でしょうか。
    派手さはないけれど、事実に基づいて重厚な作品です。

    投稿日:2011/11/23

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