ハーレムで活躍した黒人作家の18歳の時に書いた詩だそうです。
その活躍は知らないのですが、淡々とした詩の中に、黒人が奴隷としてアフリカから連れられてきたルーツから現在の自分たちの情況までに貫かれた哀歌がにじみ出ているように思います。
いろいろな経験をして「わたしのたましいは、川のように深くなった」のです。
その川は「人間の体をながれる血より古く」昔から流れているのです。
ユーフラテス川、コンゴ川、ナイル川、ミシシッピー川と何かを象徴するような川に自由と迫害と希望を織り込んでいるように、川はたましいそのもののようです。
でも、この絵本を難しく考えるよりも、E.B.ルイスの絵に圧倒されて、言葉などどうでも良くなってしまうほど、絵がパワフルでソウルフルです。
ジャズでも聞きながら、どっぷりとつかりたい世界を感じました。
さくまゆみこさんの翻訳は、多少子供向けのように思いますが、木島始さんの骨太な訳もお薦め。
ただし、E.B.ルイスの絵を見ながら。