岩波書店から、ティーンの喜びや悩みをつづった作品のシリーズが出ていて、その中の一冊です。
表紙の絵が、若い読者向けになっていますが、大人が見ても惹かれるシックな絵です。
岩波書店のセンスの良さが感じられます。
内容はかなりショッキングです。しかしフィクションとは言えないほどリアルで、だからこそ危機感を感じました。
思春期の女子が持つ悩み、友だちとの関係が大きな割合を占めています。
彼女たちには生死にかかわるほど深刻です。
親との関係がかなり影響しています。
いままでとは違った目で親を見るようになります。両親だって男と女なんだと気が付きます。しかし親は子どもの気づきに気が付いていません。
体型も大きな悩みです。自分の価値を他人が外見で決めると思っています。自尊心を持てず傷ついています。
学校と言う狭い世界が彼女たちのすべてです。
その中でどう自分らしさや自信をもてるようになるのか。
この物語では、先生でも親でもなく友だちの存在が導いてくれます。
その友だちは、すでにこの世にはいないのです。
この本は思春期の子どもをもつ方や先生に読んでもらいたいです。
読んだ後に、わが子や生徒に薦めてもらいたいです。
このシリーズのほかの本も読んでみたいです。