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ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯」 みんなの声

ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯 著:ヴォーンダ・ミショー・ネルソン
イラスト:R・グレゴリー・クリスティ
訳:原田 勝
出版社:あすなろ書房 あすなろ書房の特集ページがあります!
税込価格:\1,980
発行日:2015年02月25日
ISBN:9784751527528
評価スコア 4.6
評価ランキング 4,503
みんなの声 総数 4
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  • おもしろい!

    これを手に取れる今年の高校生は幸運だ。

    著者は、主人公ルイス・ミショーの姪にあたる図書館司書。多くの人にインタビューをし、ていねいにルイス・ミショーの生涯をたどっている。足りない部分は無理のないフィクションで埋めているらしく、読み物として読みやすい。

    彼は、「二グロは本を読まない」と言われていた時代に、ニューヨークのハーレムに本屋を開き、その店はのちに、黒人に関するあらゆる本を揃える全米一の本屋になるのだ。

    店には、マルコムXや多くの著名人が集い、議論を闘わす場所になる。

    彼は書店の奥に買わなくても本を読めるスペースを設け、ハーレムの少年たちに知識を提供する。

    原書のタイトル「no cristal stair」は、彼が学校へ行っていない少年に薦めた詩集にのっていたラングストンの詩の一節だ。

    黒人の尊厳の高めるため、黒人の意識を高めるため、この書店が荷った役割は小さくない。誇り高き本屋である。

    夏休み初めにこれが品切れとは、あすなろ書房は何をしているのか。早急に増刷して、この素晴らしい本を多くの人に届けてほしい。

    投稿日:2016/07/23

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    1
  • なぜ、この本が課題図書に選ばれたのか

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子20歳、女の子16歳

    2016年第62回の読書感想文(中学生向き)課題図書に選ばれた1冊です。
    タイトルにある“ハーレム”という言葉を聞いて、一般的な日本人がまず思い浮かべるのは、どんなイメージでしょうか?
    わたしは中高生くらいの子どもたちだったら、いわゆる「ハーレム状態(男の人がたくさんの女の人を侍らせているような状態)」を想像するのではなかなぁと、思います。
    でも、この作品内で使っている“ハーレム”はニューヨーク市マンハッタン区北部の地名で、主にアフリカ移民(黒人)の多い住宅街を指しています。

    この物語の主人公(実在の人物)「ルイス・ミショー」は、黒人です。
    著者はルイス・ミショーの実の親族です。(著者から見て、ルイス・ミショーは大叔父=自分の親の祖父に当たります。)

    ルイスは、幼いころから白人社会からの得も言われぬ差別や侮蔑に傷つき、反社会的な行動ばかりとる、古い言い方をすると非行に走ったままやくざまがいの生活をしているような荒んだ子どもでした。
    わたしはタイトルから、とても本好きな人が、受け入れられないような土地で頑張って本屋を確立した話。と思って読み始めたので、こんな人が本当に「本屋」を始めるのかひどく疑いながら読みました。
    なので、幼少期から30代くらいまでのルイス・ミショーの半生部分については、全く面白いと感じるところはなく、実はなんでこんな本が課題図書に?とまで思いながら読んでいました。

    ところがどっこい!40代以降のルイスはすごかったです。
    たぶん、本はもともと好きだったのだろうし、家族や周りの人たちからの証言通り、頭の回転も非常に早かったのでしょうね。
    彼自身の信念が強かったこともあると思いますが、彼が興した『ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストアー』には、当時のニューヨークで、専門家が買い付けに来るほどたくさんの黒人や黒人社会に関係する本や黒人作家が書いた作品が置いてあり、
    1940年から店を閉めるまでの間の1975年、最後に在庫を調べたとき22万5千冊もの蔵書だったそうです。
    また、当時アメリカで名をはせていた黒人の指導者のひとり=マルコムXは、ルイスを父のように慕って頻繁にこの店に訪れていたそうです。
    また、ルイスの実の兄「ライトフット・ソロモン・ミショー」は、黒人宗教指導者で長老とまで呼ばれた人でした。ルイスは若い頃兄と一緒に活動していた時期もあり、、このライトフットと親交のあったキング牧師とも知り合いだったようです。
    (これらの人たちの名前について「?・?・?」と、思う人は辞書や歴史の本で調べてください)

    けれども、わたしはこのような有名人たちとの逸話の部分よりも、
    ルイスがハーレムで店を構えていたからこそ出会った黒人の子どもたちたちが、ルイスやこの本屋に出会ったことで、「本という知識」を得て、自分の希望を見出し、前を向いて生きていく力になった話のほうが心ひかれました。

    例えば《スヌーズ》の話!
    ルイスが彼に渡した1冊の詩集『夢の番人』の詩は、未来を見出せない10代の子どもたちや、何かどうしようもないことが起きて人生に絶望した若い人たちの活力となる言葉があふれていました。

    中高生の時にこういう本に出会えることはすごいと思います。
    ちょっとでも興味のある人はぜひ、手に取って読んでください。

    投稿日:2016/05/23

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    1
  • 生き方にしびれた!

    なんてかっこいいのだろう。なんてしびれる生き方。そして、言葉が素晴らしい。

    特に、「わたしは、だれの話にも耳を傾けるが、だれの言い分でも聞きいれるわけじゃない。話を聞くのはかまわないが、それをすべて認めちゃいけない。そんなことをしていたら、自分らしさはなくなり、相手と似たような人間になってしまうだろう。勢いこんで話してくる人を喜ばせ、それでも、決して自分を見失わずにいるには、けっこう頭を使うものだ」は、部屋の壁に貼っておきたいような私にとっての金言。

    ああ、かっこいい。大人とはかくありたい。

    一人の人間のできることなんて、しれていると落ち込んでしまった夜には読み返したい。

    本を誰かに手渡すことに、疲れた時には、この本を思い出そう。

    ああ、本っていいなあ。私も静かに闘おう。

    投稿日:2020/09/02

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  •  清水眞砂子さんの「妥協なく心から推せる本に出会えて幸せです」(あすなろ書房HPより)という言葉を読み「これはぜひ読まねば」と手に取りました。

     ルイス・ミショーは、型にはまらず、自分の頭でものを考え、納得できないことには服従せず、やりたいことをやる、そんな人です。

     「黒人はなぜ差別され、拒まれるのか?」「どうすれば現状を改善できるのか?」と考え続けた彼は、「黒人たちは自分たちのことを知る必要がある」そのためには「本を読み学ぶ必要がある」と思い至り、44才で「黒人が書いた黒人についての本」だけを売る書店を始めました。「黒人は本なんか読まない」と言われながらも、「ミショーの本屋」は次第に多くの人々に支持され、唯一無二の本屋として有名になっていきます。

     情熱、行動力、信念、人を惹きつける魅力的な人柄・・・ルイスのそういうものが一つになってハーレムの中の本屋を作り上げ、そこから新しい風が世の中に吹いていきます。人々はここに集い、ここで学び、力をつけていきました。一人の本屋のおやじによって、たくさんの人の生き方が変わったと思います。

     この本を読むと、ルイス・ミショーの熱い一途な生涯を知ることができます。また、人がより良く生きるために「本」が必要であること、求められる「書店」のありかた、ということについても示唆に富む本だと思います。

    投稿日:2017/04/03

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