図書館にライオンが訪れます。図書館員が「ライオンが来た」と館長さんに言うのですが、決まりを守っていればいてもいいと。
かくてライオンは、図書館の中で過ごすのです。お話会のときは、ゆったり寝そべって子供達の背もたれになったり、館長さんのお手伝いをしたり。
ここまでよんだら、図書館にいつもいる、お年寄りを思い出しました。何をする訳でもなくいつもゆったりとしています。いてもいなくても良さそうなのですが、やっぱりいないとなんだか寂しくって。病気になったのかな?って心配になったりして。ついライオンとだぶってしまいました。
この絵本の主人公のライオンは。決死の覚悟で図書館の決まりを破ります。そして、何も言い訳せずに去っていくのです。
素敵。
図書館という限られた空間の中で、自分の居場所を確保し、でも、そこにぶら下がらない潔さ。
静かな中にとても強いものを感じる絵本です。