私の中では、ピーター・シスの絵本に登場する人物は無表情…な印象が
あって、にっこりと微笑む女の子の表紙を見たとき、その意外性に
思わず借りてしまいました。
ある雨の日、マドレンカは家を飛び出していきます。
行き先は自宅の回り中のおともだち。(でもほとんどおとな)
「あのね わたし 歯が ぐらぐら するのよ!」とみんなに
お知らせするためでした。
お話自体は何にも意外性はありません。
が、マドレンカを見守るコミュニティーの人達がみんな良い味の
キャラクターを出しているのです。
世界中から集まった人達です。
まずはお国言葉であいさつをして、みんなが口々に言います。
「そりゃ、おいわいしなくちゃね。」「「そいつぁ よいしらせじゃ」
「きょうのアイスは おごってやるよ」「やったね じゃぁあそぼう」
などなど
ちょっとしたしかけ絵本です。マドレンカがお友達の出身の国を
楽しめるようなしかけです。
始まりが「宇宙の中の…」であったり、四角い本の隅々までを余す
ところなく使っていたり、シスらしさ満載のこの本大好きです。
ニューヨークの片隅のお話のようです。
世界中の人達が一区画に住んでいるのです。
シスの描く日本が見たいと思いましたが、アジアでくくられて
いました。
わが子の歯が抜けそうになった時、成長の証だからお祝い!なんて
一度も考えたことがなくて、ちょっと反省しました。