私にとってはとても懐かしい一冊です。
子どもの頃、私の家にはこの絵本があり、何度も手に取って読みました。
内容を理解していたわけではないと思いますが、とても心惹かれるものが
あったのは確かだと思います。
小学中学年の息子の教科書に、この「モチモチの木」を見つけた時、
ぶわ〜っ!!と一気に子どもの頃の感覚が甦ったような気がしました。
そんな私の気持ちを知らないはずの息子は、教科書に載っているこの
作品をなぜかとても気に入り、1人で読んでいる姿を何度も見かけました。
この作品には、子どもの心を惹き付けてしまう何かがあるように思います。
気が弱い息子のことですから、臆病な豆太に自分の姿を重ねていたのかも知れません。
臆病な豆太だけれど、いざとなったら勇気を出せるってこと、じさまも
モチモチの木もきっと知っていたんですね。
「じぶんで じぶんを よわむしだなんて おもうな。」
「にんげん、やさしささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっと やるもんだ。」
息子もきっと、知らないうちにこの絵本から勇気をもらっていたに違いありません。
心に残る、とても大好きな作品の1つです。