絵本のタイトルから想像して、笑えるストーリーなのかな?と
思ったのですが、全く違いました。
タイトルを詳しく書くとすれば、「ぼくがラーメンを食べている『その』時」
ということになるんでしょう。
ぼくがラーメンを食べているその時、いろんな場所で、いろんな国で、
いろんな人がいろんなことをしているわけです。
世界には、いろんな境遇の人がいるわけで、みんながみんな、
幸せだとは限らないんですよね。
「ぼく」と同じ子どもが、別の国では、水を汲んでいたり、
牛を引いていたり、パンを売っていたり。
衝撃的だったのは、倒れている子がいたこと。
同じ時を過ごしているのに、世界にはいろんな国があって、いろんな人がいて、
同じ地球に住んでいながら、おかれている境遇は様々で・・・
ページをめくるたびに言葉がループになっていて、最終的にまた
「ぼく」の場所へ戻ってくることで、世界が繋がっていることを
上手く表現されているように思います。
自分の身近なことだけではなく、世界を見渡せる目を持つこと。
地球上のみんなが、平和に過ごしているわけではないこと。
子ども達にそういう感覚を意識させる絶好の絵本だと思います。
ただ、これといって特別な説明がないので、読み終えて「それで??」と
思ってしまう方もいるのではないでしょうか。
実は、主人と息子にこの絵本を読ませてみたのですが、上記の感想でした。
長谷川さんの絵を見慣れていなかったせいか、「絵がなんか見にくい」とのこと。
どうやら、絵からの感じられる情報をうまくキャッチできなかったようです。
確かに、文章だけで作者の意図を感じるのは、ちょっと難しいかなと思います。
個人的には、早々に日本から離れて、他国の場面をもっと取り入れて
欲しかったかなと思います。
最後、裏表紙で、男の子が立ち上がっている絵を見て、ホッとしました。
とてもメッセージ性の強い作品だと思います。
頃合いを見計らって、もう一度子どもに読ませてみようと思います。