三匹のやぎのお話は、ポピュラーでいろいろな絵本が出ていますが、やはり、絵の迫力や昔話の語り口の面白さが伝わってくるという点で、このマーシャ・ブラウンの「三匹のやぎのがらがらどん」が一番好きです。おはなし会では、かわいらしい絵のペープサートやエプロンシアターなどでもこのおはなしをよく演じますが、絵本で読むならぜったい、この本が良いと思います。言葉だけでなく、絵も語りかけてくる気がします。
また、このおはなしが子どもたちに好かれるもうひとつの理由は、子どもたちが持っている大きくなることへの憧れや喜びを、きっと満足させてくれるそのテーマにあると思います。やぎが草地でふとっちょになるその結末は、大きくなりたい子どもたちにとって、心地よいものなのだと思います。3歳ぐらいの子は読んだあととても満足した顔を見せてくれますよ。