初めて表紙を見た時、洋書かと思ったら、日本人作家さんでした。
可愛らしいだけじゃない、描くものへの確かな観察力と暖かな愛情に満ちた、たしろちさとさんの絵。
どのページも、ついついみとれてしまいます。
「5ひきのすてきなねずみたち」は
好奇心旺盛なぐれ、いたずら好きのくろ、おしゃれなしろこ、マイペースなちゃたろう、兄弟たちをよく見ている末っ子のちびすけ。
細かく描きこまれた絵から、沢山のエピソードが読みとれるのが楽しいです。
文章もきれいな言葉が紡がれていて、美しい音楽が聴こえてくるよう。
「つきのかなたに つきのかなたに ひびけ ぼくらの おんがくよ」というカエルの歌を、
私は節をつけずに読んだのですが
息子は印象に残ったのか、お風呂で暗唱していました。
また、ねずみたちが楽器を手作りする場面に興味津々、
演奏会に紛れ込んだ、ネズミに扮装したカエル探しも楽しく、
お気に入りの絵本になったようです。
音楽がつないだ、ねずみたちとカエルたちの心。
満たされた動物達の寝顔を眺めていると、平和ってこういう風景なのかなぁと思います。
おやすみまえにもぴったりだし、
音楽会の高揚感は、発表会の時期に読むといいかもしれませんね。
幼稚園から小学生、また音楽を愛する大人の方にもおすすめです。