若い時の病気が原因で全盲になってしまった山崎さんは、勤め先である市役所に向かうため、バス停に立っていました。
すると、
「バスがきましたよ」
の声と一緒に、腰のあたりに手を添えられました。
声をかけて手を添えてくれたのは、小学校3年生の「さき」という女の子でした。
皆の前で親切をすることは、結構勇気がいるものです。
その親切を自然にできたさきちゃんは、なんて勇気のある女の子でしょう。
しかもそれを毎日何年も続けたなんて、頭が下がる思いです。
そしてそれを妹が引き継ぎ、小学生たちが引き継ぎ、山崎さんが定年を迎えるまで10年以上続いたなんて。
小さな手のぬくもりのリレーの先駆者であるさきちゃんは、どんな大人になったのでしょう?
きっと、その頃と同じように、困っている人たちを自然に助ける大人になったのでしょうね。