自分で本物の鳥を作るということがどんなことなのか、謎かけのようなお話です。
細かい鳥の骨を集め、骨格を作るという緻密で繊細な作業を経て、次第に模型のように形ができていく鳥に、何だか自然への冒涜ではないかと違和感をもった私ですが、意外な展開に呑み込まれました。
本物の鳥になるために足りないものは何だろうと言われたら、命だと即答できるかと思うのですが、マッキンレーさんは「鳥だけが見る夢だ」と応えるのです。
確かに、本物の命を与えることはできないけれど、夢をこめることならできそうです。
夢をこめた鳥ならば羽ばたきそうです。
海辺に立つ、大きくて不思議な形で、鳥小屋のような建物の屋上に立って、少女が、自分で作った本物の鳥を大空に飛ばします。
想像力と心象風景のような世界で、受けとり方は自由ですね。