8歳になったばかりの息子と読みました。
「さいごのまほう」というこの題名から、
何がどう最後なのか?
とずっと考えながら読んでいた私と息子。
まじょは最後の魔法でなにかいいものになりたくて、
すみれやら、カラスやらに変身しますが、
それぞれに何かと不都合があり、
「いいもの」を探し続けます。
そんなときに出会った、小さな男の子、ゆうくん。
ゆうくんの言葉がきっかけで、
大きな木の下で、ベンチに変身!
と、ここまではなかなか楽しく読めたのですが、
まさかこれが最後とは!
息子も、「ええええ!!!」という感じでした。
それでも、読んでいくうちに、
魔女だけでなく読者も、
そうだ、これでよかったんだ、と思わせてくれる、作品の暖かさ。
数年たってベンチのまわりに公園ができたとき、
そこにいた自転車に乗ってる男の子を見て。
「あっゆうくんが大きくなってる!」と
息子が叫びました。
そうか!これ、ゆうくんなのか!
と思うと、さらに暖かい気持ちになりました。
まじょが魔法を使えなくなって、魔女に戻れなかったのは
老いを感じさせる内容でとても切ないのですが、
それでも、みんなが幸せになれた、さいごのまほう。
大きくなったゆうくんを、魔女もあたたかい心で、
見守ってくれていることと思います。