生まれてまもない赤ちゃんを見て驚いたのは、とても小さい指がしなやかによく動くこと。その姿はまるで指とお話しているようで、いくら見ていても飽きないのでした。
だからこの絵本で主人公の女の子がおはようからおやすみまで、ゆびくんと語り合いながら楽しく過ごしていく姿は、とても納得がいくのです。子どもの指先にはしっかりと力がこもっていて、動きも大人よりしなやかかもしれません。からだやあたまの柔軟性と関係あるような気もします。
息子のお気に入りはやじろべえ、ビー玉、ソフトクリームの出てくるページ。同じゆびの形をしてみせます。
ゆびくんがバラのとげでけがをして女の子と一緒に涙をこぼす場面では、悲しそうな顔をしていると思いきや泣き出してしまいました。感情移入しているんですね。赤ちゃんだった息子の成長を見た気がしました。
300冊近く絵本を描いている五味太郎さんの初期の作品です。