「とんで とんで サンフランシスコ」「野原の音楽家マヌエロ」等で、大好きなドン・フリーマンの作品なので期待して読んでみました。
1969年初版の作品で、2008年に初めて邦訳されたもの。
他の作品もそうなのですが、古典的名作が邦訳されるということは、望ましいことだと思っています。
お話は、カリーナという女の子が図書館に行くシーンから始まります。
図書館好きのカリーナは、図書館に動物だけが入れる特別な日があれば良いのにと空想を繰り広げます。
色々な動物が図書館にやってきて、静かに本を読んでいるシーンが続くのですが、結構笑えてしまいます。
空想から現実に戻った時に、思わずカリーナは「しずかにしてください」と大声を出すのですが、お約束のシーンです。
この日カリーナが借りた本が、なかなか洒落ていて心地よいエンディングを迎えるのですが、全体を通じてドン・フリーマンらしい作品だと思います。
物語の良さに加えて、読んでいて優しい気持ちにさせられるのは、彼の真骨頂であり、稀有な絵本作家であることに違いありません。
古さを全く感じさせない良書だと思います。